特集 どうするMRSA対策
MRSA対策—私たちの看護部では
神戸市立中央市民病院新生児センター
栗谷 智子
1
,
堀江 紀代子
1
,
小野原 千代子
1
1神戸市立中央市民病院
pp.891-895
発行日 1991年10月1日
Published Date 1991/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900476
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
当新生児センターでは,感染防止対策の1つとして新生児・未熟児の鼻前庭細菌検査(黄色ブドウ球菌,以下,SAと略)を行なっている.過去10年間のSA検出率は平均10%前後であった.ところが,1990(平成2)年5月から,SA検出率が70%まで上昇,結膜炎・膿痂疹が多発した(図1).その眼脂,膿汁からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(以下,MRSAと略)が検出された.感染源は未熟児室の長期挿管児であり,気管吸引物からコアグラーゼⅡ型(以下,Ⅱ型と略)のMRSAが検出されており,この児から未熟児室,そして新生児室へと広がったと考えられる.そこで,MRSA感染について,感染経路の追求と感染防止対策,駆遂までの経過を概説する.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.