連載 環境?!・5
「障害」のないエレベーター
筧 淳夫
1
1国立医療・病院管理研究所 施設環境評価研究室
pp.323
発行日 1999年5月10日
Published Date 1999/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900994
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「障害は私たちにあるのではない.社会にあるのである」「私たちは,ほかの人たちと同じ方法では『出来ない』だけである」
1987年の秋にプラハで開催された"Creating Non-handicapped Environment"(障害のない社会の創設)と題されたセミナーで聞いた言葉である.さまざまな能力に制限がある人たちが,いわゆる健常者と同じ生活を過ごせるようにするためには,どのような施設環境づくりが必要かを話し合う会議であった.移動障害,視覚障害,聴力障害などの障害に加えて,アレルギー障害の1つとして金属アレルギーが取り上げられており,建築材料として一般的に使われているサッシやドアのノブといった金物が「障害」であると言われたことも記憶に残っている.
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