特集 救急医療の現在
救急医療における課題と看護管理
森田 孝子
1
1信州大学医学部附属病院看護部
pp.949-955
発行日 1999年12月10日
Published Date 1999/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900945
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はじめに
通常の診療時間外の傷病者,および緊急的に医療を必要とする傷病者に医療を提供することを救急医療といい,わが国においては,"いつでも,どこでも,だれでも適切な救急医療を受けられる"ような整備が体系的に進められてきた.救急医療体制の基本的条件とは,①住民にも救急隊にもわかりやすく,利用しやすい,②地域単位での体制の確保,③地域性の尊重,④少子高齢社会への対応,⑤大量患者発生時の対応,の5つとされている1).
救急医療は,プライマリケアの側面と,生命の危機にある患者を多くの医療者が専門性を集中的に発揮しあって患者の改善を目指す高度先進医療の側面を持っている.加えて最近では,劇症肝炎や脳死に伴う臓器移植も救急医療の一側面ということができる.したがって,搬送ひとつをとらえても,道路搬送から航空搬送,長距離搬送へと広がりをみせる中での対応が求められている.
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