特集1 リスクマネジメント
〔取材記事〕―日本心理学会第63回大会 ワークショップ―医療事故防止に心理学はどのように貢献できるか
本誌編集室
pp.854
発行日 1999年11月10日
Published Date 1999/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900925
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去る9月5日(日),名古屋市の中京大学にて開催された日本心理学会第63回大会において,「医療事故防止に心理学はどのように貢献できるか」と題したワークショップが催された.本ワークショップの企画・司会者は,前月号まで本誌に「医療の安全をめざして」と題した連載を執筆された山内隆久氏(北九州大学文学部人間関係学科教授)であった.話題提供は島田康弘氏(名古屋大学医学部麻酔科教授・医療の安全に関する研究会),加藤良夫氏(弁護士・医療事故情報センター),山内桂子氏(北九州市立女性センター)の3氏が行ない,指定討論者として芳賀繁氏(立教大学文学部心理学科助教授),松野良一氏(ハーバード大学メディカルスクール客員研究員)が加わった.
島田氏は,医療事故防止の方策として,①インシデント報告の提出を進めること,②麻酔科専門医としての教育・研修システムを確立すること,③マニュアルやガイドラインを作成すること,④医療機器の整備と改良をすること,⑤危機管理教育,⑥病院全体の組織改善が有効であるとした.特に,日本では事故防止や事故対策機構が病院に欠落している傾向があり,エラーを誘発しないシステムとエラーを検出して早期に訂正できるシステムの構築が必要であるとした.
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