特集 魅力的な婦長
[対談]私の期待する婦長像―「いちばん面白い仕事」婦長に寄せて
森山 弘子
1
,
高嶋 妙子
2
1東京大学医学部附属病院看護部
2聖隷浜松病院
pp.480-487
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900662
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看護婦のモデルとして
森山 今回,私が推薦したのは柳澤愛子婦長です.婦長としてモデルになるという印象をもつ人は何人かいましたが,特に柳澤さんを推薦したのは,病院のいろいろな部署での経験があるからです.外科,内科,そして現在は外来の婦長として全体を見る立場です.その経験を生かして,単に今自分が受け持っている看護単位の責任者としてだけでなく,もっと幅広く婦長の役割を考えられる人ではないかというのが理由です.さらに,彼女は患者さんに対して,こんなによくやってくれる人はいないと思うほど親切です.目の前に患者さんがいれば,すぐに心からの声をかける,そういう姿は看護婦のモデルであると思います.
高嶋 聖隷浜松病院は,継ぎ足し継ぎ足し建築された建物ですが,今回推薦した村木ゆかり婦長の担当である整形外科は,建て替える予定の来年までは唯一の70床1単位です.ベッドの回転が速く,常にベッド不足で,時には20床くらい他病棟からベッドを借りているという状態です.急性期は自分のところ(病棟)で受け持って,落ちつくと移動していただくのです.このように大変な病棟をきちんと運営し,夜勤もせいぜい3人という,さほど多くない看護婦の数で非常によくやっています.主任になった時にも婦長になった時にも,スタッフとの葛藤などの困難を体験して,それを乗り越えたことが持ち味になっていると思いますし,魅力を感じています.
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