ひまわり
時の流れに忘れられたこと
山本 桂子
1
1岡村記念病院看護部
pp.764-765
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900564
- 有料閲覧
- 文献概要
ふと振り返ると,看護職を40年も続けていることに気づいた.飽き性の私にしてみれば上等だとほめたくなったり,まだまだと反省したりの毎日である.悲しみも喜びもしっかり詰まった40年であるが,苦しさの実感はすべて薄らいでいるのが不思議である.
卒業したての頃は物資不足で大変な苦労があった.しかし,それゆえに各科で共有する物品の貸し借りが多く,それを通して人との関わりが密となり,さらに物品を大切にする心は工夫を生んだ.それでも楽しい青春時代であった.ワープロなどもなく,すべて文字は自筆が当然であり,何もかも現代とは大きな違いがあった.いまだ文明の利器が苦手な私は,泣きたくなるほど古典的な方法で自筆の手紙を書き送っている.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.