資料と解説
終末期医療の基本方針(平成9年5月6日 富山医科薬科大学 倫理委員会承認)
富山医科薬科大学倫理委員会
pp.757-759
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900562
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近年の生命維持治療の長足な進歩に伴い,終末期医療のあり方が問われている.患者が生きている限り,最後まであらゆる可能な治療を施すことは,医療人として当然の責務であると思われる.しかし,延命治療の進歩は,かって存在しなかった生と死に関する複雑な問題を提起するに至っている.一方,現代社会は,多様な道徳的感情や信念が存在し,個人によって考え方が異なることを認識していなければならない.さらに,現代社会では,自らの考え方に基づいて自らのことを決定するという自己決定権が尊重されるようになった.
ここに,人命の尊重と患者の意思の尊重という二つの観点から,適切な終末期医療が行なわれることを目的として,この基本方針を策定する.
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