連載 人間として,医療人として―東海大「安楽死」事件はわれわれに何を教えたか・2
末期医療の現場での誤ったインフォームド・コンセント観
奥野 善彦
1,2
1北里大学
2奥野法律事務所
pp.140-147
発行日 1996年2月10日
Published Date 1996/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900452
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東海大「安楽死」事件の判決では,被告人が勤務していた病院には,末期医療についての体制の不備,さらに末期医療におけるチーム医療の機能は不十分であることを認めた.そして,そもそもこの病院は,わが国の現状において高い水準の治療体制を整えた病院であったが,こと末期医療のための体制作りないし環境整備という点では欠けるものがあり,末期患者やその家族に対するケアのための体制は十分整えられていなかったことを否定できない(「量刑の理由」から引用)と判示した.
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