連載 Masterたちの病棟レポート・1【新連載】
プロフェッショナル・ナースを指向して
太田 澄恵
1
1千葉大学医学部附属病院
pp.106-111
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900149
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はじめに
3年前の4月,もう一度新しく始まる臨床看護婦としての待ちこがれた日々に胸踊らせて病院の桜並木を出勤した時の気持ちを,今も私は忘れない.私は,何よりも患者という状況におかれた個々人に,臨床看護婦として機能するとき,受けてきた教育を含めて,これまで生きてきた自分自身が活きていると感じる人間である.
研究科への進学は,基礎教育終了後の臨床看護婦としての経験の中で,もう一度『看護婦』について学び直したいという思いだけで決意した.それゆえに,研究科でなにがしかの学習をしたことが,『臨床』の場でどう活きていくのか楽しみにしていた.今回,ここで私に与えられた課題は,修士号を取得した看護婦として,私がどのように臨床の場で働いているのか,またどのように受け入れられてきたのか,また私に何がみえてきているのかを書いてほしいという主旨である.現在修了生の過半数が,教育の場で活躍しており,看護の対象に直接関わる,いわゆる現場で働いている人はかなり少数である1).
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