特別記事 第86回医学書院看護学セミナーより
看護をまもる戦略―看護部門の新構想
中西 睦子
1
1広島大学医学部保健科
pp.17-30
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900141
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はじめに
「21世紀に向けて」という言葉は,いまやどこの領域でも枕言葉のように使われていますが,保健医療についての21世紀構想は,ご存知のように福祉と保健,医療の連携です.つまり各分野のサービスの"きめ"をさらに細かにしていく方針ですから,実質的なサービス拡大になります.ですがその一方に,深刻な看護婦不足が存在しています.この亀裂を私たちはどうやって埋めていったらよいのでしょうか.
看護婦不足問題は,昨年マスコミによって精力的に報道されました.マスコミの論調は当初は,看護婦の労働条件が過酷だということについて同情的なものが多かったように思います.その結果,看護婦3K説が飛び出すなど,いろいろ反響を呼んだことは事実ですが,それだから社会が看護を理解したとは考えられません,ですが最近の報道は,看護の現実に迫る番組構成が出てきたようで,それはとてもいいことだと思います.
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