病院職員の基礎知識 院内各部門
看護部門
内田 卿子
1
Keiko UCHIDA
1
1聖路加国際病院
pp.152
発行日 1984年2月1日
Published Date 1984/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208240
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看護の歴史
ヨーロッパでの看護は,キリスト教の布教により,尼僧や女執事(deaconess)が,貧困者や病人,老人の世話をしたころから形づくられてきた.19世紀に入り,イギリスのナイチンゲールにより科学的な知識に裏付けられた技術を用いてケアを行う近代看護へと発展した.
また,日本においても仏教の影響を受け,光明皇后(701年〜760年)の時代に,施華院,悲田院を設置し,らい病者の世話を行ったと伝えられている.明治以後,アメリカ人による近代看護の導入が行われ,看護教育が開始された.しかしもっとも大きく発展したのは第二次世界大戦後である.昭和23年,保助看法が制定され,国家試験を受け,免許登録を行い,看護婦,保健婦,助産婦として働く身分が確立したのである.昭和26年,准看護婦の制度も設けられ,看護教育も整備されてきた.そして看護の水準向上と,看護のリーダーの育成の必要性が言われ,3年制短期大学,大学の看護学部や,大学院に至るまで,看護教育課程は発展をして今日に至っている.
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