特集 コロナ禍での看護管理者の倫理的苦悩 振り返りを通じた「癒し」と「許し」
コラム 座談会を振り返って
看護職にとっての「癒し」と「許し」
吉部 恵理子
1
1北里大学病院 看護部
pp.35-37
発行日 2024年1月10日
Published Date 2024/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202570
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⦿キャサリン先生との出会い
私が勤める北里大学病院とキャサリン先生はもともとご縁がありましたが,私が個人的にお世話になったのは,2022年の『看護教育』1)の企画でした。看護の分野における倫理についてのキャサリン先生のお話は,インタビューしながら涙が出るほど,深く,温かく,本質的なものに感じました。臨床現場において,倫理的な課題は日常に溢れていますが,私がキャサリン先生へのインタビューで印象的だった言葉は「セルフケア」でした。患者さんを癒すことを業務に含む看護職にとってのセルフケアとは何か,それを実現するために必要なことは何か,ということを学ばせていただきました。
インタビューをさせていただいたのは2022年でしたので,新型コロナウイルス感染症による世の中の混乱はまだ続いており,看護の現場は混沌としていました。今回の座談会は,2023年5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類感染症に移行した後,世の中が平常を取り戻しつつあった時期に開催されましたので,私は,看護職の1人として,これからも前を向いて看護の道を,胸を張って歩いていける自分たちでありたい,という気持ちで座談会の席に着きました。
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