連載 ラーニング・エイド 大学院ドタバタ留学記 in NY・6
つながれ看護師,“マイプレジャー”の精神
寺本 美欧
1
1米国コロンビア大学教育大学院 修士課程
pp.289
発行日 2020年3月10日
Published Date 2020/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201541
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“ギブアンドテイク”という言葉がある。相手を思いやり,お互いに与え合い,win-winの関係になることだ。現代においてギブアンドテイクは生き抜くための処世術であり,あらゆる場面で成功の鍵となる。秋学期にはマネジメント&リーダーシップという授業の中でnegotiation(交渉術)の実践練習をする機会があった。自分が相手に何を与えることができ,対価として何を受け取ることができるか考えながら,実生活で遭遇しうるconflict(衝突)事例をもとに, クラスメイト相手に交渉のロールプレイを行った。適宜教授や観察者からフィードバックを受け, 理論やスキルを学びながら実践への応用を目指す。満足のいく交渉ができるまで,壁はまだまだ高い。
しかし,留学を目指すことを決めてから渡米後の今に至るまで,私はそれ以上にあたたかい言葉を知った。「僕で/私でよければ」という意味を持つ“マイプレジャー(my pleasure)”というフレーズだ。国籍問わず,これまで何人の方にこの言葉をかけてもらっただろう。どんな知識より,新しい知見より,現在のところ一番の価値ある生きた学びは「マイプレジャーの精神」かもしれない。これまでの無数の出会いの中でこの大切な精神を教わった。
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