連載 ラーニング・エイド 大学院ドタバタ留学記 in NY・21
跳ね返せ看護師,レジリエンスの精神
寺本 美欧
1
1米国コロンビア大学教育大学院 修士課程
pp.523
発行日 2021年6月10日
Published Date 2021/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201885
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「なぜ留学先にアメリカを選んだの?」友人にも,奨学金の面接でも,これまで幾度となく聞かれた質問だ。もちろん,学びたいことが学べるかどうかが一番の決め手だったが,それと同じくらい大きな理由が「世界の中心と言われるニューヨークに住んでみたい」という憧れだった。黄色いタクシーが行き交いネオンが煌めく街で,ピザを頬張りながらブロードウェイへ。今思うと典型的なミーハー精神に溢れているが,自分が過ごす姿を思い浮かべることが受験勉強のモチベーションでもあった。
留学生活も終わりにさしかかった頃,友人から「留学してみてニューヨークの印象って変わった?」と聞かれた。振り返ってみると激動の年に留学をしていた。トランプ政権から始まり,新型コロナウイルスの拡大,人種差別にまつわるさまざまな事件やデモに怯える日々。不運と言われれば確かにそうかもしれない。数年違っていたら,全て経験せずにニューヨークへの憧れを失うことなく卒業することもできたのかもしれない。しかし,ニューヨークのとても嫌な部分も実際に目にして体感したことで,本質に触れることができたのだと思う。
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