実践報告
白内障術前オリエンテーションにおけるDVD導入の効果—高齢患者の手術に対する理解度の向上と,看護師の業務の効率化を目指して
大塚 渉
1
,
佐藤 妙子
2
,
治久丸 直美
2
,
吉村 修平
2
,
菅 亜希子
3
,
伊東 美緒
4
1元東京都健康長寿医療センター
2東京都健康長寿医療センター
3東京都健康長寿医療センター研究所
4群馬大学大学院保健学研究科
pp.276-279
発行日 2020年3月10日
Published Date 2020/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201538
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はじめに
一般的に,加齢性白内障は40代より発症し,年齢を重ねるにつれて割合が増加します。80歳以上の高齢者は,自覚症状なく白内障になっていることも少なくありません。当院は高齢者に特化した急性期病院であり,白内障手術で入院する患者も数多くいます。
従来の術前オリエンテーションは,パンフレットを用いて個別に行っており,看護師1人が4〜8名の患者を担当していました。8時45分に入院し,10時15分からの手術開始までの間に,術前オリエンテーションと個別の情報収集を行う業務が重なり,患者への説明が十分にできないことがあります。
福田らの先行研究によると,術前オリエンテーションにDVDを導入することによる患者の理解度に大きな差はないと報告されています1)。しかし,福田らの研究の対象者の平均年齢は75歳前後であるのに対し,当院はさらに高齢の患者を対象としているため,DVDを導入することによる患者・家族の理解度の確認をする必要があると考えました。
そこで,当院でDVDによるオリエンテーションを導入した場合,患者の理解度はどうなるのか,また,看護師の術前説明の時間短縮等の業務の効率化につながるのかといった点を検証しながら,導入を検討する必要があると考えました。
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