連載 看護管理者としてよりよく生きるために 倫理課題とどう向き合うか・14
—看護管理者として倫理課題に向き合うということ❷—倫理的意思決定プロセスを確認した事例
勝原 裕美子
pp.636-641
発行日 2016年7月10日
Published Date 2016/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200499
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前回は,認定看護管理者研修サードレベルの受講生が,自らの倫理課題を俯瞰することで問題の枠組みを捉え直した事例について紹介した。そもそも私たちは,「何が問題なのか」という枠組みに基づいて取り組みを始める。Aという枠組みがBという別のものになれば,Bを前提とした思考に変わる。倫理的な問題の枠組みは,過去の経験や感情などによって設定されがちだ。そこで,そのような枠組みをいったん取り除き,本当に何が問題だったのだろうかと問い直すことが大切になる。“私にとっての問題”を考える視点を持つことで,問題の構造が違って見えてくるのが前回の事例であった。
さて,今回も同じくサードレベルの受講生の事例を用いることにしよう。本人たちには,事例を加工することを前提に,掲載の許可をとっている。今回提示するのは,倫理的意思決定のプロセスに丁寧に向き合うことで,自分を客観的に捉えることができた2つの事例である。
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