連載 回り道ナース・12
覚悟が決まった日
松本 圭古
pp.271
発行日 2015年3月10日
Published Date 2015/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200150
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看護師になって3年目の頃,たまたまケニアのNPO団体が少数部族のコミュニティにある診療所でのボランティアを募集していることを知り,私は後先考えずにエントリーシートを送った。会社勤めを辞め,看護師になったものの,自分が看護師として何をしていけばいいのかが分からなくなっていた時期だった。
まだまだできないことはいくらでもある,それなのに何をできるようになればいいかが分からなかった。何よりも,病院での毎日の業務に消耗していた。介護放棄と言ってもいいようなお預かり入院を受け入れ,コンビニ受診患者の無理難題を聞き,モンスター患者の怒りのスイッチを押さないようヒヤヒヤしながら対応していた。
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