増刊号特集2 医療機関において警察OBが果たす役割
互いに手を取り合いながら職員の安全を守るために
病院における警察OB雇用の実態―2012年警察OBと病院職員の調査結果から
三木 明子
1
1筑波大学医学医療系
pp.656-661
発行日 2012年7月20日
Published Date 2012/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102507
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はじめに
病院現場で発生する暴力事案は,その発生件数の増加にとどまらず,暴力の内容が悪質化していることもあり,深刻な問題となっている。今やどの病院でも院内暴力は発生しており,その対応に追われているのが実情である。
看護職員が安心して安全に働ける職場環境づくりのため,現在,警察OBを雇用する病院が増えてきている。しかしながら,その実態は十分にわかっていない。警察OBの病院内での配属先,職位,勤務形態,活動内容は,実にさまざまである。そして,病院側の理解が不十分であると,すでに配置されている守衛や警備員と変わらない役割を依頼したり,事務の一職員として処遇され,事務業務を分担するということが生じている。今回,HKO会(事務局;慈恵大学法人事務局総務部付渉外室顧問 横内昭光)によって,わが国で初めて警察OBと病院職員を対象に,それぞれ実態調査が実施された。「病院が警察OBを雇用する強みは何か」。ぜひこの調査結果から,看護管理者の方にこの点を読み解いていただきたい。
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