特集 多職種協働時代におけるITの活用
看護職が専門性を発揮できる環境をつくるために
超高齢社会における医療介護福祉のICTによる多職種連携
秋山 昌範
1
1東京大学政策ビジョン研究センター
pp.550-555
発行日 2012年7月10日
Published Date 2012/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102478
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近年,在宅医療の需要が高まっている。そこでは,インターネットを介して複数の人が同時に利用できるクラウドコンピューティングを使ってリアルタイムに情報共有できる在宅医療に対応した電子カルテが有用である。在宅医療においては,パソコンよりも,スマートフォンが有用である。しかし,在宅医療は,病院のようにセキュリティ管理されていない居宅において行なわれるため,堅牢な情報セキュリティ技術によって患者のプライバシー情報を保護することが必要となる。そこで,不正アクセスを防ぐため,スマートフォンのSIMカード(シムカード:Subscriber Identity Module Card)番号を用いた,たしかな個人認証などによるセキュリティが適している。
一方,在宅医療においては複数の従事者が事業者ごとに散在しており,病院のように1か所に集結していないため,情報基盤を共通化する必要があり,その際もSIM認証を用いることが有用である。今後は,在宅医療に必要な情報連携機能について検討を進め,医療,介護,情報セキュリティなどの分野を横断し,学際的なアプローチが望ましいと思われる。
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