連載 専門看護師の臨床推論・5
急性状態にある精神疾患患者への治療様式としてのアプローチと全身清拭
大橋 明子
1
,
大生 定義
2
,
井部 俊子
3
1聖路加看護大学 精神看護学
2立教大学
3聖路加看護大学
pp.426-429
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102441
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入院医療から地域生活中心への精神保健医療福祉が進められるなか,精神科病床は機能分化し,急性期病棟では短期の治療による回復と退院,地域生活移行が促進されている。急性期の精神疾患には共通の回復過程があり,適切かつ病状の段階に合った治療やケアを行なえば,多くは通常の生活ができるレベルに回復し,入院期間も短期となる。しかし,早期から,あるいは精神状態に合った介入がなければ,入院治療を要する状態は遷延化する。また増悪した精神症状の長期化は,医療ケアチームや家族に落胆や無力感を来し,患者に寄りそうことや必要な援助が届かず,患者の回復を支える包括的な態勢も揺るがしかねない。
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