連載 つらつらNPノート・2
上級実践看護師の業務規範
鈴木 美穂
pp.422
発行日 2011年5月10日
Published Date 2011/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102049
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ナース・プラクティショナー(NP)として働きはじめてから,知人にスタッフナースとの業務分担に混乱はないのかとよく聞かれる。それは看護師長とスタッフナースの業務の違いを聞かれているようなもので,もともと別の職位で雇用されているので混乱はない。クリニカル・ナース・スペシャリスト(CNS)とスタッフナース,CNSとNPに関しても同様である。
もっとも,何をもって上級実践看護師(Advanced Practice Registered Nurse:APRN)と呼ぶのかの全米でのコンセンサスも2008年にまとまったばかりである1)。アメリカ看護師協会(ANA)の看護の業務範囲と規範(Scope and Standards of Practice)2)でも,2004年版では「APRNへの追加測定クライテリア(measurement criteria)」と「専門的看護役割を担うナースへの追加測定クライテリア」が基本的なRNの規範のあとに別々に追記されていたが,2010年版では「大学院修了レベルの専門ナースとAPRNの追加適性能力(competencies)」として一本化されていた。全米レベルの代表機関が示す業務規範では,具体的な業務内容や役割はますます各施設に任されるようになっている印象だ。中身の変更はほとんどないにもかかわらず,測定クライテリアが適性能力という表現に変わったのは言葉の流行を反映していて興味深い。
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