連載 Words, words, words.─学際的なダイアローグをめざして・words 5
記述と規範 descriptive vs. prescriptive
江藤 裕之
1
1東北大学大学院国際文化研究科
pp.604-609
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100708
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前回と前々回の2回にわたり,サイエンスとアートの意味について,「普遍」と「個」,「理論」と「実践」,「発見」と「創造」といったキーワードを補助線にしながら考えてみた。サイエンスがめざすものは,ものの本来のありようを解き明かすことであり,それゆえサイエンスは普遍性を志向する。それに対し,アートは,個々の人間のアイディアやイメージを現実の世界で表現する,つまり,実際に行動したり,創造していくための「技」であり,それゆえ個別的である。このようにまとめてみたが,これはサイエンスとアートについて1つの側面を語ったに過ぎない。そこで,今回は,記述と規範という別の視点からサイエンスとアートについてもう少し掘り下げてみようと思う。
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