書評
『個人授業 心臓ペースメーカー』適応判断から手術・術後の管理まで
渡辺 真理
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1財団法人心臓血管研究所付属病院 看護部管理室
pp.266
発行日 2011年3月10日
Published Date 2011/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102002
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新人からプリセプターまで苦手意識が解消する1冊
心電図の理解は不可欠だが,ハードルは高い!?
「循環器」が苦手な理由に“心電図がよく分からないから”という看護師は多いのではないでしょうか。ましてやペースメーカーとなると敬遠する人も少なくないでしょう。そもそも不整脈の専門用語自体が難しいこともあります。ところが,筆者の勤務先のような循環器専門病院の看護師採用面接時に,循環器を志望する理由や,何を学びたいかを聞くと大半は,“心電図を読めるようになりたいから”と口にします。つまり,心電図の理解は看護師にとって必要不可欠と理解しているものの,ハードルはかなり高いというのが現実です。
心電図を学習するなら何らかの参考書は必要でしょう。そこでお勧めするのが本書です。実際に不整脈,しかもペースメーカーといえば堅苦しく眠くなる本が多いなか,本書は今までにない形式をとっています。心電図の基礎からペースメーカーチェックまでをベテラン医師と若手医師の対話形式で書かれてあり,そのやりとりが実に面白く,“ここはどうなっているのだろう?”という読み手の疑問を若手医師がしてくれ,それにベテラン医師が答えるといった感じで進められています。最後まで眠くならず楽しく読めてしまいます。心電図の基本を理解するにはうってつけです。
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