書評
―永井良三 監修 杉山裕章,今井 靖 執筆―個人授業 心臓ペースメーカー―適応判断から手術・術後の管理まで
山下 武志
1
1財団法人心臓血管研究所・研究本部
pp.1583
発行日 2010年9月10日
Published Date 2010/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104633
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「心臓ペースメーカー」という言葉はそれ自体が人を遠ざけてしまう傾向があるのではないだろうか?ペースメーカー適応患者の担当医となった研修医の頃,まったく理解できないことの連続,挙げ句の果て教授回診で頭が真っ白になった記憶が評者には残っている.当時1980年代後半,ペースメーカーのことを勉強するための書物は英語のテキストに限られ,さらにその本を開いたとたんに脳が拒絶してしまう「マニアもの」だった.
20年あまり経ち,ようやくどんな読者でも受け入れてくれるペースメーカーの良書が上梓されたことを大変喜ばしく思う.著者の一人は杉山裕章先生,まだ30歳台前半の新進気鋭の若手である.彼は内科研修後,(財)心臓血管研究所付属病院でレジデントを3年間修める中で,不整脈,心臓電気生理学,不整脈デバイスを自らの専門に決めたという経緯があり,評者はその著しい成長ぶりを熟知しているつもりである.
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