特集 医療安全管理者として働くということ
医療安全管理者は看護職ではない,新しい職種である
甲斐 由紀子
1
1宮崎大学医学部附属病院医療安全管理部
pp.1136-1140
発行日 2010年12月10日
Published Date 2010/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101900
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はじめに
●医療安全管理の理想と現実
病院の最優先課題は,医療事故の未然防止であり,それは専任リスクマネジャー(以下,GRM)の使命である。今や医療界では社会的責任としての,「医療の安全確保」が求められ,「患者の安全を護る」取り組みの重要性も認められ始めた。
一方で2007(平成19)年,厚生労働省 医療安全対策検討会議による業務指針が示されたものの,GRMの役割や位置づけは組織で異なり,GRMは,それぞれ常に「これでいいのだろうか」と能力や適性に悩みながら業務を行なっているのが現実ではないだろうか。そのような実情にも関わらず,GRMに対し,「何も起こらなくて当然,しかし,(事故が起こった途端)何をやっていたの!」とささやかれることもある。
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