連載 看護と医療政策を考えるヒント・17
「世界の最先端を走る日本」を認識しよう
松村 啓史
1,2
1テルモ株式会社
2厚生労働省中央社会保険医療協議会
pp.865
発行日 2010年8月10日
Published Date 2010/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101841
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- 文献概要
今米国をはじめとした世界中で,国民皆保険のプラン作りとその実行推進に躍起です。オバマ大統領の皆保険政策や中国の政策は最近の紙面を賑わせています。周知のように日本の国民皆保険は,既に40年以上が経過しており,見事に維持運営を続けています。また,医療インフラがこれほどうまく整った国は世界に例をみません。
また,最近メディカルツーリズムの議論で明らかになったように,日本は医療水準の高さに比べて医療費がとても安いです。ところが,悪い所ばかりを議論する風潮が強いせか,医療に対するよくない批判ばかりが進み,暗い印象を与える意見が横行しています。その結果として――隣の芝生はよく見えるとは言いますが――他国の部分的によいところだけをクローズアップする傾向があります。そしてその「隣の芝生」とは,主に効率を主体に考えた欧米型の政策です。
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