増刊号特集II “チーム医療”と特定看護師(仮称)のゆくえ
診療ができる看護師「診療看護師」の機能と期待される役割―特定看護師(仮称)との共通点
草間 朋子
1,2
,
山西 文子
3,4
1東京医療保健大学大学院看護学研究科
2大分県立看護科学大学
3独立行政法人国立病院機構
4東京医療センター
pp.724-730
発行日 2010年7月26日
Published Date 2010/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101807
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どのようにして議論がスタートしたのか
2010(平成22)年3月,厚生労働省「チーム医療の推進に関する検討会」(座長・永井良三東大教授)において,法制化を視野に入れた「特定看護師(仮称;以下略)」の創設が提案された。5月には第1回チーム医療推進会議が開かれ,特定看護師の導入に向けて本格的なスタートを切った。特定看護師の最大の特徴は,医師の包括的指示のもとで,特定の医行為が行なえる点である。
このような制度改革の気運が生まれた背景は,以下のとおりである。超高齢社会に突入した日本の医療保健提供体制の充実には,医療の多職種が協働するチーム医療の考え方が重要であり,その推進には医師と看護師との間の役割分担を見直し,看護師の業務・裁量範囲の拡大が必要と判断されたためである。厚労省は今後,調査・検討を目的に,先行する大学や医療機関と調査試行事業を行ない,試行内容を検証することとしている。
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