シリーズ 座談会●今だからこそ専門看護師の活動を再確認したい・3
[がん看護専門看護師編]
山田 雅子
1,2
,
樋口 比登実
3
,
梅田 恵
4
,
本間 織重
3
1聖路加看護大学看護実践開発研究センター
2日本専門看護師協議会
3昭和大学病院緩和ケアセンター
4株式会社緩和ケアパートナーズ
pp.503-508
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101761
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わが国では医師不足の現状を鑑み,医療界,経済界などから看護師の裁量権の拡大に関する期待が寄せられている。
その動きのなかで,米国などのAdvanced nurse practitioner(高度実践看護師)のなかでもNurse PractitionerあるいはPhysician's Assistantといった名称で認定を受けた,限られた範囲ではあるが薬剤の処方権をもったり,一部の診療行為を実施する看護職への関心が高まっている。日本での高度実践看護師は,日本看護協会が認定する専門看護師をあげることができる。
専門看護師は,薬剤の処方や医師が行なうべき医行為の実施を表立って実施してはいないが,協働している医師との信頼関係の中において,一般の看護師よりも広い範囲の看護業務を行なっている実態がある。
専門看護師は自らが高い実践力をもつばかりでなく,看護師への教育にも責任を負っており,狭い範囲で仕事をしている看護師に対しては,アセスメント力や患者・家族への介入方法について教育をし,その裁量範囲を拡大していけるようかかわっている。
今後,医師・看護師間の役割分担の見直しを行なううえでは,専門看護師の実践を今だからこそ見直し,その実態をよく知った上で看護師の裁量権の拡大を論ずる必要があろう。
本企画では,現役の専門看護師が,その裁量範囲について実際に協働している医師と共に語り,専門看護師の仕事の実態に迫ることを意図している。(山田雅子・記)
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