特別記事
看護業務はどこまでアウトソーシングできるか―医師事務作業補助者の導入を契機に職種横断的な役割分担を考える
瀬戸 僚馬
1
1東京医療保健大学医療保健学部医療情報学科
pp.218-224
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101696
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看護職が直面する人材確保問題
昨今,景気の冷え込みを象徴するような話題が後を絶たない。2009(平成21)年に至っては国内総生産(GDP)成長率が前年比15.2%以上のマイナスとなり失業率5.2%(2009年11月季節調整値)という形でも表われた。これに対して,1人の求職者に対して何人の求人があるかを示す有効求人倍率は0.45と,きわめて厳しい状況にある。
しかし,看護職についてはこれと正反対の状況にある。保健師・助産師・看護師の有効求人倍率は2.53と,世相とは反対に人材確保そのものが困難な状況は著明であり(図1),まさに「WE NEED YOU」と叫びたいような状況である。これに対し,国,地方公共団体あるいは諸団体が,人材確保を定着させるための取り組みに奔走してそれなりの成果もあげてきたが,根本的な解決にはまだほど遠い。
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