連載 スクラブナース5年生・52
ジャッキーとクリスティーナ
鈴木 美穂
pp.884
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101576
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今年6月からNurse JackieとHawthoRNeというナースを主人公とする2つのテレビドラマが始まった。これまでアメリカの医療テレビドラマといえば,ER,House,Grey's Anatomyなど,医師を主人公とし,かつシリアスなものが多かった。個人的にはScrubsというコメディが好きだが,やはり主人公は医師だ。これらのドラマの中で,ナースは背景の一部だったり,キャラクターが与えられていたとしてもナースという職業上の役割はなく,ただ医師の恋人として描かれていたりする。そして,医師のキャラクターが患者の話を親身になって聞いたり,注射を打ったり,往々にして看護の仕事をしている。
これに比べると,日本には以前からナースを主役にしたテレビドラマや映画,コミックなどが比較的多く存在してきた。そして,その人気も上々だ。ときにナースは患者の擁護者として優しいだけで,知識や技術を欠いているような描かれ方があることも否定できないが,エンターテイメントの題材として取り上げられるだけ,日本のほうがアメリカよりもナースをひとつの職業として認めているのではないかと密かに誇りに思ってきた。もちろん,エンターテイメントとして人気を博すことが必ずしも社会的な肯定的評価ではないことは極道・任侠ものを例にとればわかるのだが,ナースがドラマティックな職業であることを日本人はすでに知っていたのだ。
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