連載 ほんとの出会い・40
阿弥陀さまと「わからない」ということ
岡田 真紀
pp.614
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101383
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このごろあまりテレビを見なくなった。以前は時計代わりにNHKの朝の連続テレビ小説をつけていたが,5年ほど前の「天花」から見るのをやめた。俳優さんの演技が大げさで暑苦しくうるさく感じられたのだ。そして,夜の大人向けドラマもバラエティ番組に置き換えられるようになり,テレビのうるささはどんどん高まっていった。「ガハハハハ」という芸人さんの笑い声も,心静かに夜のひとときを過ごしたい中年女性にとっては,押し付けがましい騒音に感じられる。子どもたちは平気で楽しんでいるが「悪いけど消してくれる?」と言いたくなる。
家で仕事をしているときは,話し相手もいないので音のない寂しさをテレビでまぎらわそうかとスイッチを押すが,ワイドショーがやはりうるさい。これは音としてだけではなく,内容のうるささ。たとえば,布団叩き騒音おばさんとか,多摩川のあざらし「タマちゃん騒動」とか(話題が古いのは,このごろ見ていないせいなのでご勘弁を)。「こんなこと,連日放送するほどのことかなあ。ああ,今日もまたこのことか」とスイッチを切ってしまう。新聞を読めば,もっと大事なことが日本でも世界でも起こっているのに,とテレビにがっかりすることが多い。
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