連載 今に生きるあのヒトコト・10
“よく生きること=経験の深まり方”
小路 美喜子
1
1東京慈恵会医科大学附属病院看護部
pp.1017
発行日 2008年11月10日
Published Date 2008/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101350
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まだ師長になりたての頃,上司から紹介された本で,この「よく生きること=経験の深まり方」という言葉と出合った。その頃の私は,目指す看護の実現に向けて人・物・金・時間・情報などを効率よく駆使し,チームの凝集力を高め,ケアの成果につなげるマネジメントの役割を果たすつもりが,自分の拠り所や立つ位置がしっかりと見えず,ただ目前の業務をこなし,日々の問題解決に追われる毎日を過ごしていた。
その上司は看護関係の書籍や雑誌のみならず時代を象徴する多くの本を読んでいた。そして看護現場にそれらの理論をどのように持ち込み使いこなすか,なぜ理論を使うとよいのか,ナースたちの思考力・構築力・概念化能力を鍛える重要性を力説していた。
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