主張
閉塞感は深まるばかり
O
pp.113
発行日 1999年2月1日
Published Date 1999/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902613
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うつ病患者に対して,「トンネルの先に必ず明かりがある」,というムンテラがよく行われる.しかし,日本全体を覆う閉塞感には出口が見えず,ますます闇の中に落ち込んでいくようである.これまで世界の羨望の的であった日本的経営は色褪せ,優秀であるといわれてきた官僚組織も自己増殖と自己保身に邁進する単なる利益集団として評価が改められつつある.
経済不況による勤労者所得の低下や歳入の落ち込みによって,保険料と税の範囲で医療サービスを賄うことが難しくなってきている.また,病院に対して金融不安は銀行の貸し渋り,返済の強要でという形で直接的に影響しており,唯一の明るい材料は賃上げ圧力が弱まり,人材確保が容易になった点であろう.
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