連載 迷える・悩める・このデータ・8
調査報告書が間違っていた?!
星野 桂子
1
1国立保健医療科学院
pp.607
発行日 2002年8月10日
Published Date 2002/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902139
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昭和33年の旧厚生省告示には寝具設備基準の洗濯回数があり,「……シーツ及び枕覆については,四季を平均して,1週間につき1回程度とすること」になっていた。現在は,診療報酬算定基準の中で「シーツ類は,週1回以上交換がなされていること」とされ,この基準が満たされない場合,入院基本料,特定人院料,短期滞在手術基本料は算定できない。そのためか,多くの病院でシーツ交換は週1回である。
看護業務量の調査を行なっていると,一般的に週1回のシーツ交換がされている場合,調査日にシーツ交換が行なわれる患者は16.7~20.0%程度になる(週6日シーツ交換を行なっているならば1日に交換されるシーツが16.7%,週5日であれば20.0%ですべてのシーツが交換される計算となるため)。しかし,前同紹介した1998年調査1)のデータによれば,調査日にシーツ交換した患者は28.3%となっていた。そこで,当時はそれを調査票への記入間違いから生じた誤差だろうと思い,調査報告書には「調査日以外のシーツ交換を記入したと考えられる」と書いた。
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