連載 仕事に燃える現場づくりのヒント・4
インセンティブのつくり方
松村 啓史
1
,
青木 菜穂子
2
1テルモ株式会社 経営企画室
2トータル ライフケア プロモーション
pp.590-592
発行日 2008年7月10日
Published Date 2008/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101250
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インセンティブとは何か
まず,インセンティブ(incentive)とは何かということから考えましょう。インセンティブとは,広義には“人や組織に特定の行動を促す,外部から与える刺激”のことをいいます。つまり「動機づけ」「誘因」です。動機づけ,というとモティベーション(motivation)という言葉がありますが,こちらは本人が自発的に行なう動機づけです。「100点とりたい」「やせたい」「管理職をやってみたい」など,“たい”がつく概念,といえばわかりやすいでしょう。
インセンティブの例としては,プロ野球選手やサッカー選手が,その活躍に応じて契約金を更新することがあげられます。企業の営業マンの場合では,給与とは別に目標をクリアした場合の褒賞があります。おもしろいところでは,大きな失敗に対して褒賞金を出す企業もあります。もちろん無駄な失敗ではなく,よく考えて企画し,リスクを意識しながらトライしたけれども,成果につながらず失敗に終わった場合です。「失敗額3000万円」と書いた表彰状と金10万円也を,スタッフの笑いと拍手のなかで社長から授与されていました。頭をかきながら何度もペコペコ下げ,笑顔で「また頑張ります」と話していた若手社員がとても印象的でした。
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