DVD REVIEW
―“いのち”を救うために学んでおきたい―『DVD救命救急シリーズ 一次救命処置(BLS)・二次救命処置(ALS)』
高島 尚美
1
1横浜市立大学医学部看護学科
pp.713
発行日 2007年8月10日
Published Date 2007/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101013
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
■充実したコンテンツと場面設定のわかりやすさ
2004(平成16)年7月から一般市民によるAED(自動体外式除細動器)使用が認められ,駅構内や空港など公共の場でもAEDをよく見かけるようになった。今年5月に本学主催の「看護の日」で市民向けのBLS教室を開いたが,多くの高校生や大人がAEDを含めた救命救急処置にトライし,「実際にAEDを使ってみたかった。これで安心できます」という声が聞かれた。大きな災害もあり,“いのち”を救うために学びたい人が増えていると感じる。
本DVDの「BLS」では,医療者と一般市民向けの構成に分けられ,フローチャートに沿って実写とナレーションや字幕でわかりやすく解説されており,授業や講習などさまざまな場で使用することができそうである。内容的にも2005年版AHA(American Heart Association)ガイドラインに沿っており,胸骨を強く速く中断せずに100回/分で圧迫すること,1人法でも2人法でもすべての傷病者に圧迫:換気比30:2と統一すること,1回の除細動後にCPRを再開しAEDによって2分ごとに心電図チェックされること,などが盛り込まれている。BLSをいかに早く行なうことが重要かの根拠を示した後で,解説つきの実際の手順→実際のスピードでのリアルなBLSの様子→BLSの技術の解説という順序で構成されている。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.