BOOK REVIEW
―よりよい医療コミュニティづくりのきっかけに―『医師アタマ 医師と患者はなぜすれ違うのか?』
田中 祐次
1
1東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム部門
pp.626
発行日 2007年7月10日
Published Date 2007/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100994
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
■著者の背景を知り対話するつもりで読みたい
本書は,7人の医療に関わる専門家により執筆されています。それぞれが自分の立場(法律家,または研究者,開業医,勤務医)から,「医師アタマ」にまつわる話をしています。題名はお気づきのとおり洒落っ気を出して,「石頭」と「医師アタマ」をかけているのですが,本文では本当にまじめに副題にあるとおり,医師と患者のすれ違いに関して書かれており,きわめて興味深い内容になっています。
私は本を読むときには必ず著者紹介を読み,著者の背景を知るようにしています。そして,本書こそは,本文を読みすすめる前にぜひとも206-207ページを開き,そこに書かれている各著者の背景を知ってほしいと思います。それぞれの著者のもつ背景を知ったうえで,著者と対話をするつもりで読むことをお願いしたいのです。本書は医師-患者関係に焦点を当てていますが,きっとチーム医療を行なう看護師の方々の立場から,同じような,または違った意見がでてくると思います。そして,そこに「医師アタマ」を超えた,よりよい医療コミュニティが生まれると私自身が思ったからです。もちろん新しい“看護アタマ”も登場するかもしれませんが。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.