書評
医師アタマ―医師と患者はなぜすれ違うのか?
辻本 好子
1
1NPO法人ささえあい医療人権センターCOML
pp.2292
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103154
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タイトルの斬新さに目を引かれ,つぎに「患者と医師のすれ違いのキーワードは異文化コミュニケーション」とある帯の文字で,時代の変化を実感.10年以上前,ある学会のシンポジウムで発言した私に,学会長が「深い河はともかく,異文化圏という言葉は医療者に対して失礼ですヨ」と諭すようなご指摘.それが今や「キーワード」なのです.そして執筆者一覧のなかに,かつてどうにも議論がかみ合わず,心密かに「イシアタマ!」と思ったことのある方々(失礼!)のお名前が.しかし時代の変化とともに「柔らかアタマ」に変身されていました.
うんうん,と共感を覚えて読み進むうちに,20年ほど前,COMLを立ち上げるときに何度も相談に乗ってくださった故中川米造先生のお言葉がよみがえってきました.「21世紀は専門家のカリスマベールが剥ぎ取られる時代.だから医療現場にも新しい患者と医療者の関係づくりが必要になる.がんばりなさい!」と励ましてくださいました.
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