特別記事
事故事例の分析を活かした患者の安全を確保する組織づくり―専任医療安全管理者の役割と課題
笹谷 孝子
1
1姫路赤十字病院
pp.980-985
発行日 2003年12月10日
Published Date 2003/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100951
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はじめに
医療事故の防止を推進するためには,組織的な取り組みが必要であることが,広く認識されるようになってきた。しかし,医療機関は多数の専門職集団から成る組織であることから,エラーを不注意や能力の欠如といった個人の問題と捉えてきたという特殊性がある。また,医療そのものが不確実である上に,複雑なシステムで運営されている。絶えず状況が変動する医療現場は,多くのリスクが日常的に発生する環境でもあり,安全を確保する組織づくりには困難な課題が多い。
ここでは,専任の医療安全管理者としての活動から,患者の安全確保を目指す組織づくりを構築していくための課題と,医療安全管理者の役割について述べたい。
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