特集 効果的な退院指導
いま求められている退院指導
嶋崎 千壽
1
1日本医科大学附属病院・産婦人科病棟
pp.96-99
発行日 1984年2月25日
Published Date 1984/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206393
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はじめに
施設内の看護領域のなかでも,母性看護ほど保健指導が大きなウエートを占めているものはないと思われる。また,日常の看護業務のなかで,保健指導が独立した形でとりいれられてきた歴史も,他の領域の看護に類をみないほどに古いものがあり,そこに母性看護の特殊性があると思われる。
第二次世界大戦後,GHQの指導により保健指導という概念が紹介され,実践されてきたわけだが,当時としては斬新なものだったに違いない。当時の保健指導のもつ使命は,劣悪な食糧事情や経済状況のなかで,いかにして母親の健康を,また,生まれてくる生命を守るかに主眼が置かれていた。そのため,保健指導の内容も健全な生命を育むための知識を普及させるものが中心だった。
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