連載 法と医療のはざまで[7]
チーム医療事故と看護師の責任
飯田 英男
1
1関東学院大学法学部
pp.594-595
発行日 2004年7月10日
Published Date 2004/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100519
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K大学付属病院で発生した消毒用エタノール誤吸入事件については,平成15年11月10日,看護師に対して禁錮10月,3年間執行猶予の一審判決があった(現在控訴中)。
本件は,看護師Aが,小児科病棟の患者(当時17歳)の人工呼吸器加温加湿チャンバー内に滅菌精製水を補充する際に,調乳室に保管されていた消毒用エタノール5入りポリタンクを滅菌精製水4入りポリタンクと誤信して患者の病室に運び込み,10回にわたり合計約300mのエタノールをチャンバー内に注入補充し,その後,職務を引き継いだ看護師4名が,順次,同様の方法で合計約870mのエタノールを注入補充して,約53時間にわたり気化したエタノールを患者に吸引させ,急性エタノール中毒等で死亡させたというものである。
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