新連載 CURIOSITY SQUARE & CIRCLE[1]
―[金子郁容さん]―SQUARE ルールやロールが自生していくコミュニティ型組織の問題解決プロセス/CIRCLE リーダー不在のオーケストラがとるリーダーシップ・スタイル
田中 幸子
1
1自治医科大学看護学部
pp.1,78-79
発行日 2004年1月10日
Published Date 2004/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100416
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- 文献概要
インターネットを使った禁煙支援グループの「禁煙マラソン」,会員制在宅ケアの「ライフケアシステム」,NPO主体の介護サービス……。ヒューマンサービスの分野でコミュニティ型の組織が元気らしい。コミュニティ型組織とは,トップダウン方式のヒエラルキー型組織の対極にあって,多様な人が集まり,情報を共有し,各自の自発性が重んじられる組織だ。
「以前,アメリカにいる家族が,大きな病気で病院に入院したことがありましてね」
そう語るのは,金子郁容さん。金子さんは,慶應義塾大学教授であり,硬直化した従来のヒエラルキー型組織とは異なる方法で,コミュニティ型の組織が問題を解決していくプロセスに注目し『コミュニティ・ソリューション』(岩波書店)を著わした産業組織論,コミュニティ論の専門家である。「闘病中の家族の状態や,様子について主治医に尋ねると,『私はわからない。患者のことはナースに聞いてくれ』と返されたことがあって……。専門的な治療以外のことはナースの仕事,自分は知らないと言って憚らないドクターには,違和感をもった」と話す。
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