BOOK REVIEW
―医療事故紛争を解決するためのトレーニングブック―『医療コンフリクト・マネジメント―メディエーションの理論と技法』
鈴木利廣
1
1すずかけ法律事務所
pp.867
発行日 2006年10月10日
Published Date 2006/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100383
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■米国では100年の歴史と蓄積がある分野
本書は,医療機関が医療事故紛争を患者・家族との対話によって解決するための技術についてメディエーション(中立的第三者による調停)技術を応用する形で提供している。本書によれば,コンフリクト・マネジメント(「利害対立の管理」とでも訳するのであろうか。)はすでに米国で100年にわたる研究蓄積のある分野で,近年医療紛争分野でも市民権を得てきた,という。
本書では,(1)羅針盤スキル(紛争を分析し,解決へのパスを見出す),(2)エンパワメント・スキル(傾聴と信頼の構築のために),(3)問題変容と問題解決のスキル,(4)流れを管理するスキル,と4つに分類されたメディエーション技術を,紛争解決への3段階(1対1直接対応,初期ケアリング・メディエーション,高次問題解決メディエーション)へ応用することを提唱している。
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