連載 医療・看護の経営管理~政策の勘どころ・16
医療制度改革関連法案をめぐる国会での議論―医療は危機的状況か?
吉村 伯太
pp.642
発行日 2006年8月10日
Published Date 2006/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100339
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6月14日の参議院本会議で医療制度改革関連法案が可決した。新聞報道などですでにご存知のとおり,この法案は高齢者の自己負担の見直し,後期高齢者医療制度の創設,医療計画の見直しによる医療機能の分化・連携,介護療養型医療施設の廃止など実に多岐にわたる。本稿では,この関連法案をめぐり,国会でどのような議論がなされ,どのような問題が浮き彫りになったのかを述べる。
実は国会における議論は,本法案とは直接関係のない「医師不足」などの問題に集中した。これは,与党が圧倒的多数である国会における,民主党の「戦略」であったとの見方もできるが,一方で,このままではわが国における「医療崩壊」が深刻化するという民主党の強い主張であった。小児科・産科医療,あるいは救急医療の問題には診療報酬を小手先でいじるよりも,今こそ税金の投入など,緊急措置が必要という考えであった。
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