実践報告
外来を拠点としたセルフケアプロモーション―聖マリアンナ医科大学病院における“マリアビタミン”
本舘 教子
1
,
山本 志奈子
1
,
塚本 孝枝
1
,
木村 文代
2
,
田嶋 由香里
2
,
鈴木 愛子
2
1聖マリアンナ医科大学病院
2聖マリアンナ医科大学病院看護部
pp.928-932
発行日 2005年11月10日
Published Date 2005/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100260
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はじめに
2000(平成12)年度から,一次予防に重点を置いた健康づくり運動「健康日本21」が厚生労働省を中心に開始された。これを受けて,神奈川県では社会全体が個人の健康づくりを支援する環境を整備することに重点を置いた施策を各地域で展開している。
近年,在院日数の短縮化,疾病構造の変化,特に生活習慣病など慢性疾患の増加に伴い,医療における患者の位置付けは変化してきている。つまり健康障害を抱えながらも患者が生活していくためには,悪化させないための患者自身や家族の意思決定とセルフケア能力が問われているのである。外来ケアの中心は「予防」へとさらにシフトすることは必至である。
聖マリアンナ医科大学病院(以下,当院)は,1200床を有する特定機能病院として,高度先進医療の提供のほかに,神奈川県北部に位置する地域に根ざした大学病院という特徴をもつ。そのため通院患者を含めた地域住民に対して,健康維持に対する自発性を促し,生涯を通じた健康増進のためのセルフケア能力を培うためのサポートが重要な役割であると考える。
そこで,外来の待ち時間が長いという問題を逆に活かした活動を考えた。待ち時間を利用して健康に関する知識の啓発,セルフケア促進をめざした看護支援1)を目的とした健康教室「マリアビタミン」は2004(平成16)年5月にスタートした。その経過と今後の課題について以下に紹介する。
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