特集 癌治療のプロトコール2005-2006
Ⅵ.胆囊癌治療のプロトコール
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院外科
小森山 広幸
1
,
萩原 優
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院外科
pp.209-214
発行日 2005年10月22日
Published Date 2005/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100225
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はじめに
胆囊癌の臨床的特徴は癌の壁進達度によって術式が大きく異なり,さらには予後も格段に異なることである.胆囊癌の全国集計の結果をみると,全切除例の5年生存率は42%であるが,StageⅠでは77%,Ⅱでは53%,Ⅲでは31%,Ⅳでは9%と報告されている1).粘膜層(m)や固有筋層(mp)までの癌では胆囊切除のみでも良好な予後が得られるが,進行するにつれて肝内や胆管側への浸潤,広範なリンパ節への転移をきたし,対応する術式も拡大広範囲切除となり侵襲も過大となる.現在のところ胆囊癌治療の第一選択は外科切除であるが,新しい薬剤による補助療法の成績も発表されつつある.
本稿では,われわれが行ってきた胆囊癌治療の概要を示すとともに,最近の胆囊癌治療についての文献的考察を述べる.
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