総説
多胎児家庭のかかえる問題点とその対策
横山 美江
1
1滋賀医科大学医学部看護学科
キーワード:
多胎児
,
母子保健対策
,
障害児
,
育児環境
Keyword:
多胎児
,
母子保健対策
,
障害児
,
育児環境
pp.505-512
発行日 1998年12月15日
Published Date 1998/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900719
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緒言
わが国の出産率は,1974年の第2次ベビーブームを境として年々低下傾向を示している1)。このうち,多胎児の出産率は排卵誘発剤や体外受精の影響により逆に上昇傾向がみられ2),地域の保健福祉施設において保健指導,育児相談,ならびに育児支援を求める,多胎児をかかえる家庭(以下,多胎児家庭)が急増している。
多胎妊娠は単胎妊娠より母体への影響も大きく3,4)乳児死亡率も高いことが報告されており,多胎は母子ともにさまざまな危険にさらされている5-9)。さらに,出産後もさまざまな問題をかかえており10-18),多胎児では小児虐待の発生率が単胎児に比べ7〜8倍も高い19-22)。
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