焦点 看護実践・理論・研究をつなぐアクションリサーチ
看護におけるアクションリサーチ:ミューチュアルアプローチの理論
遠藤 恵美子
1
,
新田 なつ子
1
1北里大学看護学部
pp.465-470
発行日 2001年12月15日
Published Date 2001/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900641
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はじめに
アクションリサーチ(action research)とは,行為に関する新しいパラダイムに立つ研究方法である。本稿で使うパラダイムという言葉の概念については,「人間の行為を導く信念の基本的なまとまり」というGuba(1990,p. 17)の定義を使うこととする。そして,多くの先人が繰り返し強調してきているように,看護研究者らの拠って立つパラダイムが,看護研究を進める上でも,また看護実践の特質を明らかにする上でも,決定的な役割を果たすということを基本的前提としている(Allen, Byenner, & Diekelmatnn,1986;Moccia,1988;Munhall,1982;Newman,1990;Newman,1992;Newman,Sinle,& Corcoran-Perry,1991)。本焦点の嶺岸論文でHolter & Schwartz-Barcott(1993)の分類によるアクションリサーチの3つのアプローチが紹介されたが,そのうちでもこのミューチュアルアプローチ(mutual collaborative approach)は,いわゆる伝統的な意味での科学的研究と最も異なるパラダイムに拠って立つものである。ここでは,全体性(wholeness)を基調とするパラダイムの下で,筆者らが試みている看護におけるミューチュアルタイプのアクションリサーチの理論的裏づけについて述べたい。
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