研究報告
老年者への強酸性電解水による足浴後の皮脂量と角質水分量への影響
新垣 さおり
1
,
神谷 文美代
1
,
島野 陽子
1
,
村上 睦始
2
,
石井 潤一
3
,
柴山 健三
4
1藤田保健衛生大学病院
2藤田保健衛生大学病院救命救急センター
3藤田保健衛生大学医学部内科学教室
4藤田保健衛生大学衛生学部衛生看護学科
キーワード:
強酸性電解水
,
足浴
,
皮脂量
,
角質水分量
,
老年者
Keyword:
強酸性電解水
,
足浴
,
皮脂量
,
角質水分量
,
老年者
pp.163-168
発行日 2001年4月15日
Published Date 2001/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900608
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緒言
皮膚の保湿機能は,真皮にある脂腺から分泌された皮脂と表皮の角質にある角質細胞間脂質が担っている6,17)と考えられている。また皮脂は,表皮を弱酸性に維持し,細菌の繁殖を抑制する作用もある9)。だが,老年者の皮膚は,脂腺の退化による皮脂分泌量と角質細胞間脂質の減少により乾燥化してくる15)。乾燥した皮膚は,外界からの防御機能が低下し,病原微生物が容易に侵入しやすい状態となる。また,外界からの物理化学的刺激に対して過敏に反応して,強い掻痒感を起こしやすい状態となる10)。
高齢者の皮膚乾燥化予防には,看護者は保湿剤や沐浴剤を清拭剤として使用し,表皮上に被膜を形成して行なわれてきた13)保湿剤や沐浴剤による皮膚乾燥化予防効果への研究は,看護者が肉眼的観察や患者からの訴えを聞き取る方法4,19)を用いて行なっており,皮膚生理機能である皮脂量や角質水分含量の経時的変化を測定した報告は少なかった。
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