焦点 感染看護に関する研究と実践
医療用手袋の役割と限界—看護職の健康を守るバリアとして
佐々木 美奈子
1
,
高橋 泰子
2
1東京大学医学部健康科学・看護学科
2東京大学大学院医学系研究科
pp.313-322
発行日 1999年8月15日
Published Date 1999/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900516
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
医療用手袋は感染制御において重要な役割を担っており,看護職から患者への直接の感染防止(滅菌手袋の使用など),院内感染の防止,および患者のもっ病原微生物の看護職への感染を防ぐために用いられる。
院内感染防止においては確実な手洗いの実施が基本であるが,手洗いの実施は不十分である場合が多く1,2),感染性の高い微生物に対しては,手袋の併用が効果的であるという報告もある3)。病原微生物の患者から看護職への感染防止については,医療従事者へのHIV感染を懸念し,手袋のバリア性についての研究が欧米を中心に数多くなされた。これらの研究はHIV感染防止のみならず,肝炎ウイルスやヘルペスウイルスの感染防止に対しても重要な示唆を与えている4)。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.